誤解1:保険適用は施術の内容や怪我の度合いで決まる

整骨院は保険が利くけど、どんな時に保険が適用されて、適用されない時はどんな時なのか・・・

一般の方や、スポーツ現場の方でさえ、保険適用の範囲は正しく認識されていることは少ないようです。

それもそのはず、私たちの感覚と、法律上の保険適用にはずれがあるからです。

下の表を見てください。

怪我レベル(痛み度合)とは

怪我レベル(痛み度合) 状態
スポーツなど身体に負担のかかる活動をしていても、痛いところは無く身体に不調が無い状態です。
日常生活(あるく、すわる、立つ、横になる、軽いものを持つ、軽く走る)では痛みを感じませんが、
スポーツなど身体に負担のかかる動きをすると痛みがでる状態です。
例:思いきり投げるとの肩肘が痛い、全力で走ると太ももや足首が痛い、ジャンプをすると膝が痛い等
日常生活で痛みがでる状態です。
日常生活どころか、じっとしていて(横になっていたり、動かさないようにしていて)も痛みがでる状態です。

怪我のパターンとは

パターンaの場合(負傷箇所は足)の例:

痛みなどなく日常生活や、スポーツを楽しんでいたが、足首をひねってしまい、動かすのも痛いほどの怪我を負ってしまった。

パターンdの場合(負傷箇所は足)の例:

以前から、走ったり、練習中に痛みが出ていたが日常生活には支障が無かったためそのままにしていた。ある日、練習の強度が上がり、他の人(怪我がない人)と同様に練習をしていたら、元々痛かった箇所の痛みが歩くのも辛いくらいの痛みになった。

保険適用はどれ?

上記のような表の怪我のパターンがa~fとあるとき、そのうち、どのケースの治療に保険が適用されるのでしょうか?

答えは・・・

場合により、全部適用であり、全部不適用です。

場合というのは、「受傷してから何日経過して来院したか」です。

恐らく、多くの方は「どんな怪我をして、来院時、患部がどんな状態なのか(痛みの度合)」、「どうしたのか(怪我のパターン)」やそれに対して「どんな施術を行ったのか」などが、保険適用に関係するのでは、と考えられていると思いますが、

実は、「いつ来院したのか」で保険の適用可否が変わってきます。

〇:保険適用される(可能性が高い) ×:保険適用されない(可能性が高い)

受傷後1週間以内の来院 受傷後一週間以上経過後の来院
a 3←0 ×
b 3←2 ×
c 3←1 ×
d 2←1 ×
e 2←0 ×
f 1←0 ×

患者様の中には、

もともと痛かった箇所だし、痛みがすこし強くなった程度(怪我のパターン2←1のケースなど)では、保険は適用されないのかも・・・」、

「数日、忙しくていけなかったけど、ようやく整骨院に行ける余裕がでたので、行ってみよう(怪我をしてから1週間以上経過している場合でも、保険が適用されると思っている)」(※正確には、1週間以上経過した場合の来院でも、場合により適用されることも有りますが、原則は怪我をしてから1週間以内の来院いただくことが必要です。)

といった認識をされている場合がありますが、それらは正しくありません。

保険適用の施術を受けるためには、まずは「できるだけ早く来院すること」が大切です。

すぐ来院するだけではダメ

ただし、「すぐに整骨院に駆け込む」だけでは保険の適用はされません。

早く整骨院に行くこと加えて、「その痛みが出た状況がはっきりしている」事も重要です。

痛みが出た、痛みが強くなった「理由」と、「場所」と、「時間」を伝えられなければ、保険適用できないことが在ります。

つまり、整骨院で保険施術を受けるには、

その痛みが発生した日から「何日目に来院したのか」、その痛みは、「いつ、どこで、何をしていて、発生したのか」、が、そろっている必要があります。

まとめると、下図のようになります。

強い痛みがある
はい
(1週間以内の来院)
はい
(1週間以上経過後の来院)
いいえ
(強い痛みはないが辛い=肩こりなど)
理由等 明確 保険適用できる
(可能性が高い)
保険適用できない
(可能性が高い)
保険適用できない
(可能性が高い)
不明 内科など他の医療機関の受診を勧めます。 保険適用できない
(可能性が高い)
保険適用できない
(可能性が高い)

痛みが出て(痛みが強くなって)すぐに来院しさえすれば、通常は、その理由等もはっきりと思いだせます。

「この程度で行っていいのかな」といった不安はあるかもしれませんが、痛みのレベルの人によって感じ方は様々ですからご安心ください。また、「理由なんてよくわからないな」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、問診時に、状況が思い出せるような質問をしますので、ご安心ください。

あなたとって「痛いな」と思うことがあったら、遠慮せずに、お早めに来院ください。

誤解2:整骨院は行っても意味がない

怪我から復帰する、という言葉に対しての認識は、人それぞれだと思います。

怪我の回復というのは、痛み度合(怪我レベル)が、3⇒2、2⇒1、1⇒0になることをいいます。

スポーツをやられている方は、練習や、試合出場が問題なくできた時(怪我レベル0)になったときに、「復帰できた」、と感じるでしょうし、スポーツをしない方であれば、怪我レベル1の状態でも十分と思うかもしれません。

人には、自己治癒力というものが存在し、身体の中の筋や骨の怪我であっても、安静にしていれば回復します。(切り傷なども数日経過すると、かさぶたが出来て、その後完全に修復しますよね?)

ただ、その自己治癒力に頼って、治るまでじっとしているわけにもいきませんし、治すために安静にしていると、動かさなかったせいで、筋力が低下したり、凝り固まってしまったり、変な修復の仕方をしたり、自然だけに任せた回復には限界が在ります。

そのため、整骨院などは、その自己治癒力を高めるために冷やしたり、温めたり、電気をつかったり、もみほぐしを行ったりして、痛みや怪我を治す手伝いや、修復後の微調整の手伝いを行っているのです。

昔は、スポーツ等に取り組む方も少なかったため、

治療の現場では、怪我レベル1になれば、それ以上の施術は不要 と考えられていましたし、

患者様自身も、それで問題ないと考える方がほとんどでした。

しかし、中には、昔から、スポーツを楽しまれる方、大きな力を使って仕事や家事を行っている方にとっては、怪我レベル1の状態では、到底復帰できたとは思えるものではありませんでした。

怪我レベル1までしか 痛みのレベルが回復しない
= スポーツできない、仕事が出来ない
= 整骨院の施術は意味がない!

という認識をされてしまい、「整骨院は治してくれない」という認識が広まってしまったのではないかと考えられます。

ただし、それは昔の話、今は、怪我レベル0になるまで施術を続ける認識がほとんどです。

各整骨院の認識や施術内容は、時代に合わせて変化し、

「本当の意味で、患者様に不調から復帰してもらうため」に、患者様の身体の痛みと真剣に向き合っています。

昔のイメージにとらわれず、身体の痛み、不調に困ったら、是非お近くの整骨院に来院ください。

誤解3:整骨院は整形外科の劣化版

整形外科の先生は医者で、整骨院の先生は柔道整復師です。

下記のような科目を勉強し、国家試験に合格した方が、柔道整復師を名乗っています。

柔道整復師資格取得のための勉強

  • 解剖学 人体の形態、構造
  • 生理学 人体の機能とそのメカニズム
  • 運動学 人体の動きの仕組み
  • 病理学概論 人体に起こる病気の仕組み
  • 衛生学・公衆衛生学 健康の維持・増進、疾病の予防・発見
  • 一般臨床医学 人体に生じる疾病
  • 外科学概論 外科の治療法と疾患
  • 整形外科学 主に人体の骨、関節、筋肉などの運動器系を診療研究する外科学の一分野
  • リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規など

「試験には合格しているかもしれないけれど、整骨院の先生は、医者じゃないんだから、きちんと診てもらえないんだろう」、

そう感じていらっしゃる方もいらっしゃいますが、実はこの二つは、役割が異なっているのです。

整形外科と、整骨院の患者様の骨、関節、筋肉、腱、靭帯などの身体の痛みに対してのアプローチの違いは、下記のとおりです。

整形外科と整骨院の違い

整形外科 レントゲンやMRI、CTなどの主に画像診断を用いた様々な検査と診断を行い、外科手術や、薬、保存療法を行う。
整骨院 問診や検査(エコーや測定機器)にて病態を把握し、外科手術をしない整復や固定、施術を行い、人間の持つ治癒力を最大限に発揮させる。

※施術例:電気治療など物理療法、手や手の平で身体に刺激を加える手技療法などでほぐすなど

整形外科と整骨院、鍼灸院が出来ることできない事

整骨院 整形外科 鍼灸院
資格 柔道整復師

※国家資格

医師

※国家資格

はり師・きゅう師

※国家資格

保険
(一部医師の同意が必要)

(医師の同意が必要)
診断 ×
(「病名・診断名」を言い切ることが出来る)
×
画像検査
(レントゲン,CT,MRIなど)

(エコーは可)

(エコーは可)
投薬・注射 × ×
手術 × ×
施術

基本は、施術者の判断による施術を行う。(診断はできませんが、問診を行い、効果があると判断した施術を行うことができます。)

※一部医師の指示が必要なものがある

〇※

ほとんどの場合医師は施術は行わなず、リハビリテーション科などが併設されている場合に、担当の理学療法士などが医師の指示に基づき行う。

基本は、施術者の判断による施術を行う。

※一部医師の指示が必要なものがある

医師が施術を行うことは殆どありません。

もちろん、施術を行うことは法律上問題ありませんが、診断や、投薬、手術をできるのが医師だけのため、その部分に注力し、他の部分(施術)は別の人(柔道整復師、理学療法士、鍼灸師など)に任せるという役割分担が出来ているためです。

これを「医接連携(医療&接骨院・整骨院)」といい、このような形で整骨院も地域の医療サービスの向上の一翼を担っています。